ある英国人の思い出

 春を待つ時期になって、ふと思い出されることがある。ずっと昔、英国人マダムのSさんの
話だが。

 会社で英会話のレッスンが計画され、それの講師で来たのが彼女だった。それから個人
的に付き合うようになって、夫のP君ともども故郷を案内したりして、帰国後も文通が続いた。

 毎年クリスマスカードはもちろん、旅やら日常の動静などを連絡してくれたのだ。高齢出産で
念願の坊やが出来たと思ったら、法律の勉強を始めたり。

 それが、93年の消印がある冬の手紙を最後に、音信が途絶えた。

 そのエアメールは、Xマスカードが同封され、遅れた詫びと3回も big surgery(大手術)を
受けたこと、そのお蔭で体重が恐ろしく減ったこと、春になったら法律家として出発できる
のが楽しみ、と書いてあった。

 なんの病だったろうか、たぶん4回目の手術に耐えきれずに、命の火が消えたのかと想像し
ている。

 奇しくも、今年でちょうど20年になるのだ。
 
 アメリカ英語が全盛で、格調正しいクインズ・イングリッシュなどは、極くたまに耳にする
程度だけど、彼女のご冥福を祈ってやまない。

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