故郷に帰って

 兄姉弟5人で、うち4人が後期高齢者なのに一人も欠けないってのは、
極めて珍しく自慢していいのでは、と思っていた。

 ところが今年になって長兄が亡くなり弟が病に侵されたという知らせ
があって、その誇りも潰えた。
 そして、とうとう弟も鬼籍に入ったのである。

 故郷に二度往復した。通過する駅名を見聞きするとなつかしさを感じる
なあ。母の許に頻繁に帰った夜行列車の若い頃を思い出す。
また、車窓から眺めた街道の景色を眺めて、マイカーで訪ね歩いた土産店は
今もやっているだろうかと、たあいもなことを考えたりした。

 故郷は遠くにありて想うもの、と書いた詩人がいたけれど、あれは一種の
負け惜しみだったんじゃなだろうか。

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